脳出血による障害の手記 
「もういちど 歩き出そう」      

第24話 倒れて2年が経過して!「脳梗塞を骨髄幹細胞で治療 札医大が新技術」

第16話で、退院してから1年経過(倒れてからでは1年半ほど)の状況比較を書きましたが、それから約半年経過後の状況比較をしてみます。それと、今日目にしたニュースで是非、書いておきたいことがありました。最近、『再生医療』という言葉を耳にすることも多いと思いますが、その取り組みの一つで概要は次のようなことです。

「脳梗塞を骨髄幹細胞で治療 札医大が新技術」 
脳梗塞(こうそく)の患者に、本人の骨髄幹細胞を培養して静脈から注入し、症状を大幅に改善させる新しい治療技術の開発に、札幌医科大の研究班が六日までに成功した。骨髄幹細胞は、体内を移動して脳梗塞の患部に行き着く特徴があり、神経細胞を再生する。研究班は、これらの特徴を発見し、治療技術に応用した。すでに米国などを対象とする国際特許を出願済みで、できるだけ早い時期に臨床試験を始めるために準備を進めている。実用化されれば、点滴などで脳梗塞を治療できる画期的な手法となる。

もちろん、研究がスタートしたばかりですがリハビリを続けている私たちにとって、「骨髄には赤血球や血小板のほか、それらの血液細胞に分化する造血幹細胞などが存在し、それらのうち骨髄幹細胞は、多くても1000分の1ほどの割合しかないとみられ再生治療での効果を高めるためには、大量に培養する必要がある」とはいえ神経細胞が少しでも復活しリハビリがその効果をあげるのではないかと力ずけられるからです。少なくとも、つい最近まで神経細胞は再生しないというのが医学会の常識だったように言われていた思います。 このような状況をふまえて、半年前・一年半前・2年後の状況の比較を行うことによって新たなリハビリーの意欲を取り戻そうと思います。

比較表

内容項目 退院時2001年12月(発病後5ヶ月) 退院後1年2002年12月 倒れてから2年経過2003/07
右頬・唇等の痺れ 強く感じる/違和感が大きい 一割程度の違和感改善/思ったより慣れない ようやく違和感があまり気にならない程度になったが、体調によって痺れを強く感じるときもある。
発声・言語麻痺 自分ではサ行など一部に麻痺のため発声しにくい
言葉があるのは感じていた。会話も一部聞き取りにくかったらしい。
まだ話し難いが、大分改善されたように思うし、評価もうける。
以前は、タクシーなどにのっていく先を告げるのも緊張していたが、いまはよくなってきた。
自分では、さほど半年前と変わった感じがしなかったが、丁度半年前にあって以来話していなかった人から電話をもらい「話し方がすっかり前に戻ってビックリした!」といわれた。うれしいような、「前はまだだったんだなぁ〜」と複雑でした。
右肩の痛み 起きている時は特に感じなかった。
痛みは起きるが、右手を上げることはできる。
寝返りをうつとき、右肩が置いて行かれることがだんだんなくなってきた。
右肩の付け根の痛みは依然としてあるが、一年前より若干(慣れのせいか?)よくなった。
マッサージ・体操などによる筋の硬直を改善するよう心がける。
右肩の付け根の痛みは依然としてある。
寝返りをうつとき、右肩が置いて行かれる感じは全く無くなった。
右手の痺れ まだ、手全体が脹れており握ったときに手のむくみを感じる。
寒さを強く感じる。手袋が必需品となる。
夜など、痛みが強く洗面器に熱いお湯を入れ手を浸し痛みをやわらげる。
手の脹れ・むくみはなくなる。痛みも改善された。
疲れたときなど痛みは起きるが、洗面器治療?はまだやっていない。
手袋も去年ほど必要を感じない。
キーボードもコントロールが良くなったせいか、ゆっくりなら両手が使えるようになった。
今は夏なので寒さの感覚は分からないが、痺れに関しては半年前と比較して5%程度の改善か?思ったほど-----。
指の感覚 全体にジーンと痺れており、輪ゴムで指をきつく縛ったような痛みが常にあった。 小指、薬指、中指の順に感覚が戻ってきており痛みもほとんどない。
人差し指と親指はまだ痺れ・痛みが強い。
人差し指のみまだ痺れ・痛みが強いが、親指はいくらか良くなった気がする。
足の感覚 痛みや痺れの感覚はない。
安静時にビクッビクッという痙攣?のような症状がよくおきていた。
同じく痛み・痺れはなし。夏の間の自転車訓練により脚力がついたようにおもわれる。
痙攣は、全く無くなった訳ではないがほとんど起こらなくなった。
何かむくみがあるように感じる。感覚は、特に変わりがない。
歩行について 杖は使わずに歩くが、バランスがうまくとれない。
歩くとき、患側の足がベタベタ・ドタドタというようについてしまう。
おもったほどうまくなっていない様に感じるが、バランスは大分と良くなったように思う。ベタベタという音もあまりしなくなった。 驚くほど進歩したというわけではないが、歩行が前よりはバランス感覚・脚力のUPにより随分と楽に感じる。しかし、歩くより自転車が楽なため最近、意識的に歩く練習をしなければと反省。
バス・地下鉄 できるだけ人の少ない時間帯に乗るようにする。バランスが極度に悪いためおっかなびっくりでチャレンジ。 慣れたせいか、混んだ時間帯も乗り降りのタイミングに注意すればOKと自信をもつ。
小樽にもバスで一人で行けるようになった。
よほど混んでいたりしなければ、時間さえかけて安全なタイミングで利用。
階段 地下鉄を利用するときどうしても階段でホームまでいかなければならず、手すりにつかまりながらなんとかいく。 あまり進歩無し。体重を減らさねば!しんどい ゆっくりなら手すりにつかまらなくても登り降りできるが、危ないのでいつもすぐ手すりを掴める状態で人のいないときに練習。
握力 良いほう(左手) 60Kgくらい 患側(右手) 15Kg どうかな? 近いうちにはかってみます。 測ってません。

時間の経過のわりに微妙かもしれないけれど、間違いなく改善しているよ。


(2003年07月07日)
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