第6話 作業療法でのリハビリ パート1
厚生労働省の定義によると「作業療法とは、身体又は精神障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力または社会的適応能力の回復を図るため、図形、工作その他の作業を行わせることをいう。」
また、日本作業療法士協会によると「作業療法とは、身体又は精神に障害のある者、またそれが予測される者に対し、その主体的な生活の獲得を図るかかるため、諸機能の回復.維持および開発を促す作業活動を用いて、治療、指導および援助を行うことをいう。」
私が入院した時前述のPT(理学療法)と平行してOT(作業療法)がはじまりました。
担当は、25才位の若いS先生(女性)でした。
スタートした時は手や腕の痛みはないのですが、肩から腕が抜けたような感じでした。
まず、筋力をつける運動をはじめました。寝ながら、麻痺した右手を上に上げてゆっくり上下運動を繰り返します。
次に、ひじのところで曲げて親指が鼻の頭につくように繰り返します。これは、手のぶれがひどく曲がりなりにも出来るようになるまで2ヶ月近くかかりました。
また、指が開かなかったためテニスボールをつかんで持ち上げることが全くできませんでした。
これは、指がひらくコツ?をつかみ前日まで1個もできなかったのに、いっきょに10個できるようになりました。2週間後のころだったかな。
しかし、親指と人差し指でおてだまをつまんで少し横においてあるカゴにいれる簡単なことがなかなかできませんでした。
退院も近くなった2ヶ月を過ぎた頃からようやくできてきはじめました。
親指を上下させる運動も3〜4回で筋がこわばり動かなくなってしまうのです。
いまは、まだ親指と人差し指のしびれが特につよいのですが、10回以上の上下運動はできるようになっています。
その他に、乾いたタオルで机の上を何度も何度もこするようにして腕の運動をおこないました。
自分はこの時もっとはやく良くなるんじゃないかと漠然とおもっていたのかもしれません。
はじめの頃はそれほど悲壮感がありませんでした。しかし、なかなかおもうようによくならないのを感じはじめて目の前が真っ青になりました。
夜、ベットで寝ていても痛みのため患側を下にはできないし、上にしてもちょっと体を傾けると肩が抜けているような状態の為に右側の肩から置いていかれるようになってしまうのです。
これは、筋力が付くに従って随分と解消されてきたようにおもえます。
あとから聞いたのですが母親が私のリハビリしている姿を見てショックをうけたそうです。
まるで1歳や2歳の子の積み木遊びのようなことが満足にできていないんですものね。
本当に親不孝をかけてしまいました。
いくらかよくなった今だからいえるのかもしれませんが---。
2〜3ヶ月ごろから手の重さを強く感じ始めました。
「よいしょ」といって腕をもちあげるかんじです。現在(8〜9ヶ月)は日中はあまりかんじないのですが、夜遅くなるとまだかんじます。
夜遊びはまだムリですね。
むくみも最近になってようやく少しよくなってきたようです。
作業療法はまだいろいろと続いたので次もパート2ということでつづけます。
(2002年4月10日) グリアTOP
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