脳出血による障害の手記 
「もういちど 歩き出そう」 

第3話 リハビリーの始まり

緊急入院してから10日位たってからリハビリーがはじまった。いわゆる急性期のリハビリーです。
リハビリーには、下肢の訓練(歩行訓練)をおこなうPT(physical therapy)「理学療法」、上肢の訓練を行うOT(occupatiocal therapy)「作業療法」、聴覚・言語・音声の訓練を行うST(speach therapist)「言語療法」の三つの分野があります。私は、この三つのリハビリーを受けることになりました。
退院してから色々と調べてわかったのですが、この三つが揃っているところはなかなかないのが現状だったのです。
幸いなことに緊急入院した柏葉脳神経外科病院はこの点でとても充実していました。
それぞれの担当の先生が指導してくれるのです。PTのK先生、OTのS先生、STのG先生たちが時には厳しく、そして楽しく指導してくれました。
ここのリハビリーの先生たちは圧倒的に女性が多く、20代の先生たちが多かったのにも意外性を感じました。
リハビリーといってもこの頃は、病室からリハビリーの部屋までヘルパーの人に車椅子を押してつれていってもらっている状態でしたからPTは先生による麻痺した右足のマッサージ・電気による刺激それと寝た状態で腰を浮かすという程度でした。
OTもやはりマッサージと電気刺激、寝た状態で右手を上にあげてひじで曲げ指がうまくあごや鼻のところにくるかコントロールする練習などを繰り返しやっていました。
10日位たったとき1個もつかめなかったテニスボールがつかめるようになりました。
次は親指とひとさしゆびでおてだまをつかむ練習です。
STは簡単な文を声を出して読む練習を繰り返しおこないます。自分ではあまり気がつかなかったのですが、退院近くに、ある文を読んだときの録音したテープを比較して聞かせてもらい、その差にびっくりしました。
そして、この時は「もうこれ以上よくならないんじゃないか?」とか「2〜3ケ月すればみちがえるほどよくなっているんじゃないだろうか?」とか交互に考え込んでいました。

(2002年2月23日)
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