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2017年度5月-8月、ニュース

   トヨタのロボットのリハビリテーション支援ロボット「ウェルウォークWW-1000」医療現場へ

トヨタ自動車は2017年秋、脳卒中などによる下肢麻痺患者のリハビリテーションを支援するロボットを事業化する。藤田保健衛生大学と、2007年から10年をかけて共同開発した「ウェルウォーク」がそれだ。医療機器としての承認を取得済みで、医療機関向けのレンタルを2017年9月に開始する。
ウェルウォークは、患者の麻痺側の足に装着して膝の曲げ伸ばし動作を助ける「ロボット脚本体」と、トレッドミルやモニターから成る「本体」で構成する。ロボット脚本体は膝部にモーターを備え、足裏の荷重センサーからの情報を基に、モーターによる動作補助量を調整する。立脚時は膝が伸びた状態を保持し、遊脚時は膝が曲がることで自然な歩行を支援する。
このロボットの特徴は、運動学習理論に基づく支援機能を備えること。問題への気づきを与える「歩行状態のフィードバック」や、補助しすぎないように補助量を最適化する「アシスト調整」などの機能を搭載した。
ウェルウォークの臨床応用に当たって、藤田保健衛生大学 医学部教授の才藤栄一氏は「“歩ける”と“歩けるようになる”には大きな違いがある。助けすぎると歩けるようにはならない」との考えを大切にしたと話す。患者がロボットに頼ると、運動の学習効果が得られにくくなる。そこで「補助量をギリギリまで減らし、最小の補助で沢山歩けるようにすることで、リハビリへのやる気も出るというポジティブフィードバックにつなげる」(同氏)ようにした。
ロボットを使わず、理学療法士のスキルに頼る従来のリハビリでは、患者の転倒などを防ぐために、理学療法士が患者の動きを早めにサポートしがちだったという。「転倒などの危険がある場合に、最後の最後まで“待って”くれる存在がなかったため、患者はトライアンドエラーの機会を失いがちだった。ロボットはいわば千手観音としてそれを可能にする」(才藤氏)。
複数の医療機関で実施してきたウェルウォークの臨床研究では、こうした特徴を生かした成果が得られ始めている。例えば、下肢麻痺の患者が歩行できるようになるまでの期間の短縮につながっているという。
ウェルウォークは、トヨタが2000年代前半にコンセプトを発表し、開発を進めてきた「パートナーロボット」の第1弾となる製品である。パートナーロボットとは、人と共生し、人の活動を支援する役割を果たすロボットのこと。自動車とともに、社会ニーズに応える製品と同社が位置付けてきたもので、その用途として「少子高齢化への対応が重要と考えてきた」とトヨタ自動車 未来創生センター 常務役員の磯部利行氏は話す。すなわち、少子高齢化に伴い現役世代の負担が増す中で、高齢者の自立した生活や、介護者の負担低減をパートナーロボットで支援する。

ここに向けてトヨタは、4つの領域を対象にパートナーロボットの開発を進めている。(1)シニアライフの支援、(2)医療の支援、(3)自立した生活の支援、(4)介護の支援、である。

 (1)では、屋内外をシームレスに移動できることをうたう立ち乗り型のパーソナルモビリティ「Winglet」を開発。実証事業を進めている。

 (2)に向けたパートナーロボットとして今回製品化したのが、ウェルウォークだ。リハビリ支援に向けた「歩行練習アシスト」の名称で開発してきたもので、2014年からは国内23施設で臨床研究を進めてきた。これを踏まえて2016年11月に医療機器としての承認を取得し、製品化した形だ。同じくリハビリ支援に向けた「バランス練習アシスト」も開発中で、国内21施設で臨床研究を行っている。

 このほか(3)では生活支援ロボット「HSR」、(4)では移乗ケアロボットや対話ロボットを開発中。高齢者施設などでの実証を進めている。


(2017.5.27)   ロボットスーツリハ

   日立、20年の実用化めざし痛くない乳がん検査開発

乳がん検診のとき痛みを伴わず、高い精度で腫瘍を見つけられる技術を開発したと、日立製作所が24日発表した。リング状の装置で乳房に全方向から超音波を当て、腫瘍の形や早期がんの兆候を測ることができるという。既にイヌの臨床試験で微小な腫瘍の検出に成功した。北海道大病院と共同研究を進め、2020年ごろにも人体への実用化を目指す。

 同社によると、乳がん検診で国がすすめる乳房X線撮影(マンモグラフィー)は、乳房を強く挟んで検査するため痛みを感じる人が多い。また、母乳をつくる乳腺の密度が高い人の場合、腫瘍が乳腺の陰に隠れて見つけにくい課題がある。マンモグラフィーと併用して、超音波検査も普及しているが、腫瘍の悪性と良性の判断がつかない難点があるという。

 新技術は、受診者に検査台の上にうつぶせになってもらい、乳房を台に開いた穴から水を満たした検査容器に入れる。360度の方向から超音波を照射してスキャンし、音波の速度などから腫瘍の有無を解析する。
スキャン自体は1分程度で終了する。腫瘍の粗さや硬さが分析でき、悪性腫瘍は表面が粗くなる傾向がある。放射線被曝のおそれもない。
従来のマンモグラフィー(乳房エックス線撮影)と比べて若い世代の腫瘍検出に効果的で、乳房への圧迫痛がない利点もある。また超音波診断装置(エコー)より検査の精度が高まり、悪性か良性かの判断が容易になるという。

密度の高い乳腺でも腫瘍を見つけやすく、腫瘍の形や硬さも分かるので良性か悪性かの診断ができる。


(2017.5.27)

   

新規開業のお知らせ。

すがぬま耳鼻科クリニック(札幌市清田区)、氏家こども記念クリニック(中央区)、水色のこもれ陽札幌肝臓クリニック(中央区)、 札幌シティクリニック(東区)、久保外科・胃腸科(北広島)、浄心メンタルクリニック(函館)、たんぽぽクリニック(比布街)、まつお眼科(帯広市)、こしや糖尿病・内科クリニック (帯広)、オロロンライン眼科(留萌)が新規開業登録されました。


(2017.5.27)

   

「ランサムウェア」によるサイバー攻撃で英医療機関が大打撃

「ランサム(身代金)ウェア」によるサイバー攻撃で、被害は全世界に拡大した。

 最も深刻な被害を受けた英国の医療機関は大混乱。病院などのコンピューターが次々と使えなくなった。医療現場の様子はツイッターなどで生々しく伝えられた。専門家は「過去最大規模のサイバー攻撃だ」と警戒を呼びかけている。

 「事務室のパソコンが、一台また一台と全てダウンした」「パソコンが全く応答せず、何もできない。患者が気の毒だ」「処方箋が出せない!」。12日午後1時半(日本時間同日午後9時半)ごろから、英国の病院や診療所、医療関係事務所などで、パソコンが次々とウイルスに感染。現場の医師や医療スタッフがツイッターで現場の混乱を発信した。


(2017.5.25)

   

広島で6歳未満男児脳死7例目、北大病院でも60代男性が脳死

日本臓器移植ネットワークは10日、広島県内の病院に小脳出血で入院していた6歳未満の男児が同日午前9時19分、臓器移植法に基づき脳死と判定されたと発表した。6歳未満の脳死は7例目で、15歳未満としては14例目。家族が脳死判定と臓器提供を承諾した。

 両肺は岡山大病院で1歳女児に、心臓は東京大病院で10歳未満の男児に移植。脳死と判定された6歳未満の子からの臓器提供は7例目で、1歳の子への肺移植は国内最年少。

 移植ネットによると、脳死と判定された男児の両親は「これからも(息子が)元気に笑って生き続けてくれればと願い、臓器提供という方法を選びました」と話しているという。

 6歳未満は脳の回復力が強いと考えられ、脳死判定では通常6時間以上空けている2回の検査の間隔を24時間以上と長くし、基準を厳しくしている。18歳未満の子どもは虐待の形跡がないことも確かめる。

 移植ネットは同時に、北海道大病院に入院していた60代男性が脳死と判定されたと発表した。6歳未満の男児と合わせ、本人意思不明の脳死は277例となった。

   

尿のかぎわけでがんの判定をするがん探知犬、山形県で 全国初導入!

山形県金山町は、人の尿のにおいで、がんの有無をかぎ分ける「がん探知犬」による検査を来月にも始める。町の健康診断の受診者のうち同意した人を対象とし、日本医科大千葉北総病院が分析を担う。健康診断に併せ、がん探知犬を利用するのは全国の市町村で初めてで、効果が確認されれば、受診者に負担を掛けずに早期発見できる検査方法として、実用化が期待されるという。

 町などによると、検体となる尿は町立金山診療所が採取し、冷凍して千葉北総病院に送る。探知犬は試験管に入った検体の尿をかぎ分け、がんに罹患していると判断したときは、振り返って担当者に伝える。
 病院側は探知犬による検査に加え、尿に含まれるにおい物質などを特殊な機器で精密に分析し、がんの有無を判定。約3カ月後に陽性か陰性かの結果を知らせる。
 同病院は宮下正夫教授を中心に2010年から、がん特有のにおい物質や探知犬の可能性について研究を進めてきた。探知犬は同病院と提携する企業が育成に当たり、現在5匹が探知できる状態だという。
 宮下教授は「これまでの検査で、探知犬は早期のがんもほぼ100パーセントかぎ分けている」と説明。「最初の検査は尿を提出するだけでよく、体への負担がない。陽性の場合も他の検査データから、がんの種類の絞り込みが可能になる」と利点を挙げる。
 町がこうした検査を導入するのは、同町を含む最上地域の胃がんによる死亡率が全国でも高いことが背景にある。特に女性の胃がん死亡率は全国ワーストで、状況を重く見た鈴木洋町長が昨年10月、町に講演に来ていた宮下教授に協力を依頼していた。
 町は本年度当初予算に、同病院への委託料など1100万円を計上。探知犬などの検査を受ける町民も自己負担はない。
 鈴木町長は「がんの早期発見につながる可能性がある。住民が元気で暮らせる対策の一歩にしたい」と話している。


(2017.5.04)


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